【宮森LOG】

買った物や行った場所に関する備忘録

はまり道その8「村上たかし・星守る犬」

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普段こういう話題になってた本というのは自分には合わなくてつまらないモノがほとんどなので極力読んだり買ったりしないように心がけている身としてはとても珍しい買い物ですが、なのになぜ買ったのかというと作者の村上たかし氏の「ナマケモノが見てた」のファンだから。「ナマケモノが見てた」は動物しかでてこないギャグマンガなのです。動物マンガで名を馳せた村上氏が犬のマンガを描いてるなんて知ったら大の犬好き(日本犬・特に柴犬好き)の俺は当然買いますよ。ええ買いますとも。

感想。ネタバレになってしまうので多くは語りませんが、主人と家来、そういった人間と犬との主従関係をきっちり理解している人が読めばきっと共感できるはず。ペットを擬人化して服を着せたり人間の食べ物を与えたり(←人間がかかる所謂「成人病」に犬がかかる)するような勘違いエセ犬好きにはきっと理解出来ない世界かも。

「犬は外」、きっとこれが日本人の犬に対する正しい態度。「番犬」なんて言葉があるくらいですからね。そして部屋の中でヌクヌクとさせていると犬が調子に乗るわけです。このマンガではマンション住まいの人が急遽犬を飼うことになってしまったので室内で飼ってますが、主人は犬からすると「群れのボス」なので同じ部屋で同じ食べ物を食べるたりすることで「こいつら俺(犬)と同列か?」とカン違いして主人に牙をむいたりするんです。主人に対して噛みつかんばかりの態度を犬が取る時点でしつけがまともに出来ないダメ飼い主なので飼う資格なんてないですね。しつけ方が解らないんだったら飼う前に勉強すべき。あまりにも知識が無い人がペットを飼って、結果無駄死にさせたり公園等に捨てたりるんです。それとエサはドッグフードで充分です。

大昔、犬は人間に飼われるようになってからずっと人間に依存して「こびへつらって」生きのびてきた動物で、1度「この人が主人」と決めたら逆らいません。こびへつらうというのはちょっと乱暴な言い方ですが要するに従順なんです。そのスタンスが解らないとこの作品は面白くないかもしれません。

と脱線気味にややこしい事をツラツラと書きましたが別に何も難しく考えることはないので読んでみてください。そして「あとがき」も読んでください。あとがきまでがこの作品です。自分はとにかく健気なハッピーが可愛くてしかたない。そして切ない。

後半に描かれている「日輪草」に登場する犬の最期がうちで飼ってた犬の最期とかなりダブった。あんな風に徐々に衰えて死ぬんですよ。うちの犬は死んで8年になるけど久しぶりにあいつの事を思い出した。またあいつを飼えればいいのにな。

久々に「どハマリ」した作品でした。買ってよかった。